「設計」とは、土木設計技術者が道路、橋梁、トンネル、河川、公園などについて実際の施工に向けて図面や各種資料を作成、調整していくことです。

自分の考えた道路や橋梁、河川などが形となって地図に残り、人々の役に立つことを実感できるところが、設計のおもしろいところです。そのほかにも、急傾斜地の擁壁(※1)や砂防堰堤(※2)などの設計は次の世代まで多くの人たちの命を守る社会的な意義がとても大きな仕事です。
※1 がけ崩れから人家、道路などを守るための壁
※2 土石流などから人家、道路などを守るために沢や谷に設けるダム

基本的な大きな流れとして、「概略設計」「予備設計」「詳細設計」という3段階のプロセスがあります。まずは「概略設計」で全体を見通した大まかな計画を立て、次に「予備設計」で実際の測量図を使用してその場所にあった計画案をいくつか作成しても適した設計を検討し、最後に「詳細設計」で地質(地中の状況)などの調査結果をもとに工事に必要となる図面や数量計算、構造計算書などを作成し、正確な工事費を算出する「積算」を行います。

また、設計の方法は時代と共に変化しています。昔は定規など使って手書きで図面を作成していました。その後はPCやCADの普及により、大幅に作業環境が改善されました。さらに現在は「3次元データの活用」を積極的に行い、よりわかりやすい資料作成と省力化を行っています。

砂防堰堤完成後写真

砂防堰堤完成イメージ

橋脚補強前

橋脚補強後

「改築(新設)」なのか、維持修繕なのかなど施工の性質によっても業務フローは様々ですが、現地確認に始まって既存資料の精査や関連機関の調整、地元の方々への説明なども含めて必要な要件を整えていきます。各種関連法規の順守や地域ごとのご事情や地理的要因をふまえ、複雑に関連しあう諸条件を満たす設計を様々な角度から検討していくことになります。

基本的な大きな流れとして、「概略設計」「予備設計」「詳細設計」という3段階のプロセスがあります。

概略設計」とは?

設計する構造物等の比較を行い、自然・社会的条件や経済性などの観点から最適案を提案することを言います。

比較した内容を基に概略の図面や工事に必要な材料の数量・事業費を概算でまとめます。

予備設計」とは?

予備設計とは、概略設計で決定された内容を基に「施工性・経済性・安全性・環境への影響」など加えて比較案を提示し、必要な図面を作成することです。

比較し最適となった種類の図面や数量計算書・概算工事費を「概略設計」時よりも詳細にまとめます。

詳細設計」とは?

詳細設計とは、予備設計によって決められた大枠に従って構造計算等を行い、工事に必要となる詳細な図面や数量計算書などを作成する設計です。

また、この図面のほかにもどうやって施工するかをまとめた施工計画図なども作成します。

詳細設計は工事を行うための資料となるだけではなく、正確な工事費の計算を行う「積算」の資料にもなりますので、とても大切です。

当社の設計技術とノウハウ

ここに挙げた写真は、災害復旧のための設計を当社にて手がけた事例です。

当社では災害発生時にドローンなどを用いて作成した図面を使い、自然環境や景観、現地ならではの利用状況などを考慮した「地域に密着しているからこそ出来る設計」を行い、設計作業をスピーディに完了するための技術とノウハウを有しています。

一件の業務に対して主に2人1組で設計を行います。さらに仕事全体を統括する「管理技術者」を含む【チーム】で設計の仕事を進めていきます。入社して間もない若手社員などは、先輩社員の下について仕事を覚えます。経験を積みながら業務の正式な「担当者」となり、少しずつ一人前の技術者となります。

三次元データの活用

設計は何もないところに新しい何かを作り出す仕事であり、完成後をイメージすることはとでも重要です。
当社では実際に測量した地形データや 「VIRTUAL SHIZUOKA」の点群データなどを活用し、三次元モデルを作成しています。これにより、設計におけるミス防止や説明用の資料などに役立てています。下に示す3Dモデルの作成には入社1年目の若手社員が大きく寄与しています。

ドローン写真

砂防堰堤 3Dモデル

点群+3Dモデル合成